COP30にて正式発表の「Global Circularity Protocol」、Circulariseが主要技術パートナーとして開発に貢献

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オランダ・ハーグ 2025年11月12日
ーCircularise B.V.(サーキュライズ、以下、「Circularise」)は、World Business Council for Sustainable Development(WBCSD:持続可能な開発のための世界経済人会議)およびOne Planet Networkと協働し、「Global Circularity Protocol for Business(GCP:グローバル・サーキュラリティ・プロトコル)」バージョン1の策定と発表を支援したことを発表しました。本プロトコルは、今週ブラジルで開催されているCOP30にて正式にローンチされました。

Circulariseは、Deloitte Consulting AG、KPMG Consulting、Circle Economyとともに、データシステムおよびデジタルインフラ領域の技術的専門性を提供しました。本プロトコルは、Honda、Ingka Group、Panasonic Holdings Corporation、Royal Philips、Tomra、Toyota Motor Corporationを含む80以上の組織、150名以上のエグゼクティブが参加するGCP技術ワーキンググループによる審査を経て策定されています。

Global Circularity Protocolは、バリューチェーン全体における循環性の測定、管理、報告の枠組みを標準化することを目的としており、2050年までに1,000~1,200億トンの資源削減、67~76ギガトンのCO₂排出回避が見込まれています。これは、世界が1年間に使用する資源量、および現在の年間CO₂排出量と同等、もしくは上回る規模に相当します。

しかし、再利用、修理、リマニュファクチャリングなどにより創出される4.5兆ドル規模の経済成長と600万件の雇用創出という潜在力は、いまだ十分に活用されていません。この潜在的な資本は、投資リスクを適切に評価するための一貫性・比較可能性・検証可能性のあるデータが不足しているため、いまだ市場に流通していません。GCPは、こうした課題の中でも特に「一貫性」と「比較可能性」を担保するもので、循環型活動への投資解放につながる企業の循環性測定の共通指標を提供します。

主要支援組織の一つとして、Circulariseは、デジタルインフラ、データ交換メカニズム、マルチティアのサプライチェーンにおけるトレーサビリティに関する重要な知見を提供し、プロトコルの技術面を方向付けました。これは、企業が線形(リニア)モデルから循環(サーキュラー)モデルへ転換する際に直面するデータ収集・報告の課題に直接応えるものです。

Circularise サステナブル・イノベーション責任者 Dr. Phil Brown(フィル・ブラウン)コメント
「GCPは循環性を測定するための枠組みを提供します。当社の役割は、その枠組みを企業が実際に導入できる運用システムへとつなぐことです。複雑なサプライチェーン全体でデータを収集し、検証し、交換するための堅牢なデジタルインフラがなければ、優れた基準やプロトコルも理論に留まってしまいます。当社はその基盤構築を支援しています。」

さらにCirculariseは、KPMGとともにデータおよびシステムアーキテクチャの主要要素の設計に協力しました。当社のチームは、企業データガバナンス構造、Circular Transition Indicator(CTI)指標の精緻化、およびCTI Enabling Solutionsアプローチに関する重要な提言を行いました。これにより、GCPの複数バージョンにわたるロードマップ策定を支え、循環性測定手法がマルチティアサプライチェーンにおける実際のトレーサビリティ能力と整合するよう設計されています。この取り組みは、CirculariseがKPMGおよびWBCSDと共著した2024年のホワイトペーパー「Circularity Data Exchange: Landscape analysis and way forward」で示した原則を実装し、さらに発展させるものです。

Circularise共同創業者 Jordi de Vos(ジョルディ・デ・ヴォス)コメント
「複数ティアの製造サプライチェーンにおけるデータ収集・管理の実装経験が、GCP開発を支えました。この知見により、実際の素材フローの複雑さと、それらを正確に追跡・報告・分析するためのデータシステム要件がプロトコルに適切に反映されました。」

策定のフェーズから実装のフェーズへ

またCirculariseは、GCP技術ワーキンググループおよびFront Runners Coalitionの一員として、プロトコルの進化および社会実装を支援し続けています。特に、測定結果を検証可能なアクションにつなげるために必要なデータ収集・報告システムの構築に注力しています。

GCP発表のタイミングは、世界各地で循環型経営を義務付ける規制が強化されている状況と一致しています。EU電池規則、Ecodesign for Sustainable Products Regulation(ESPR)などの各種規制は、検証可能なデータを用いて循環性実績を示すことを企業に求めています。GCPは測定・報告・情報開示の標準を提供し、Circulariseはそれを実運用へと結びつけるために、データシステムやトレーサビリティツールに関する技術的視点と重要な知見を提供しています。

会社概要

 Circulariseは、2016年に設立されたオランダ発の製品トレーサビリティプラットフォームの開発企業で、サプライチェーン全体の法令遵守や持続可能性の実現に特化しております。Circulariseの製品は、企業様の監査の準備を効率的に進め、ESPRなどの規制やISCC EU、ISCC PLUSなどの認証基準にご活用いただけます。さらに、このプラットフォームはTier 1(直接の製品供給元)のサプライヤーを超えた製品の全工程における追跡機能、デジタルプロダクトパスポート(DPP)の提供、監査に対応可能なレポートの生成、安全なデータの収集・管理・共有を実現しています。特許取得済みの技術により、機密情報が保護され、情報の透明性と機密性が確保されています。
 なお、日本における展開を加速すべく、2025年1月に日本法人「Circularise Japan 株式会社」を設立しました。より一層、日本市場でのサステナビリティ推進とサプライチェーンの透明性向上への取り組みを強化していきます。
URL: https://www.circularise.com

【本件に関するお問い合わせ先】

Circularise Japan株式会社 マーケティング担当
E-mail: ayaka.kume@circularise.com
TEL: 090-9943-8597