日本・東京 2025年9月9日
—Circularise Japan株式会社(以下「Circularise」)は、ENEOS 株式会社および三菱ケミカル株式会社(以下「三菱ケミカル」)が茨城県神栖市に新設したプラスチック油化ケミカルリサイクル事業の本格運用に向けて、マスバランスクレジット管理業務の一元化・簡素化を実現する製品トレーサビリティプラットフォームを導入したことを発表します。マスバランスアプローチは、持続可能な原材料利用への現実的かつ段階的な移行手段として注目されており、本取り組みはその先駆的な導入事例です。
Circulariseおよび三菱ケミカルは、プラスチック油化ケミカルリサイクルにおける本格運用に向けて、2024年度より実証と適用を段階的に進めてきました。
三菱ケミカルは、英国Mura Technology社の超臨界水熱分解技術を活用し、使用済みプラスチックからリサイクル生成油を製造する事業の商業化を進めています。ISCC PLUS認証を取得しており、環境価値の高い製品を市場に提供するための日本国内における重要な循環型拠点として注目されています。
ENEOS と三菱ケミカル、プラスチック油化の開始に向けてケミカルリサイクル設備を竣工(三菱ケミカルプレスリリース)
一方で、マスバランス方式を採用する企業は、監査対応の要求が高まる中、紙やExcelによる手作業の帳簿管理によって、対応業務の負担増加や人的ミスの発生、さらにはサステナビリティに関する主張の信頼性を損なうといったリスクに直面しています。
このような状況からも、当該分野におけるデジタル化の必要性は、これまで以上に明確になっています。
これらの課題に対応するため、三菱ケミカルはCirculariseの製品トレーサビリティプラットフォームを導入しました。Circulariseの革新的な技術により、マスバランスクレジット管理に関わるプロセスの自動化と一元化が実現し、企業のサステナビリティ推進における信頼性と業務効率の大幅な向上につながっています。
本ソリューションの特徴
本ソリューションは、複雑なクレジット計算、安全な記録管理、国際認証制度に準拠したレポーティングを包括的にサポートし、以下のような価値を提供します。
■ 卓越した正確性
リアルタイムでのデータ連携と、自動化による「ミスを起こさない設計」により、手入力による人的ミスを大幅に削減。原材料から最終製品に至るまで、データの信頼性を一貫して確保します。
■ 業務効率と拡張性の向上
これまで多くの時間を要していた作業を効率化し、人的リソースの有効活用を実現。認証拠点の拡大にも、追加の人員を増やすことなく、柔軟に対応することが可能です。
■ 国際的な監査基準への高い対応力
ISCC PLUS、ISCC EU、REDcertなど、主要な国際認証スキームへの準拠をサポート。監査にも対応可能な安全かつ追跡可能なレポートを提供し、サステナビリティに関する主張の透明性と信頼性を高めます。
Circularise Japan代表 Jordi De Vos(ジョルディ・デ・ヴォス)のコメント
「サーキュラーエコノミーを築くには、市場において信頼性の高いデータが不可欠です。当社の中央集約型かつ自動化されたプラットフォームにマスバランスクレジット管理を移行することで、三菱ケミカルは信頼できるデータと監査対応可能な報告をもとに事業を拡大することができます。これにより、リサイクル素材に対する市場の信頼が高まるとともに、他の日本企業にとっても再現可能なモデルを提供することが可能です。」
本プロジェクトは、Circulariseおよび三菱ケミカルにとっての成果にとどまらず、業界全体にとっても大きな一歩となる取り組みです。企業がデジタル技術を活用して業務を変革し、持続可能性において実質的かつ長期的な価値を創出できることを示す好例となりました。加えて、複雑化するサプライチェーンにおいても、マスバランス方式の透明性と信頼性を維持できることが実証されました。
今後もCirculariseは、三菱ケミカルがカーボンニュートラルの実現とサーキュラーエコノミーへの移行を加速させるためのパートナーとして、引き続き全力で支援してまいります。その一環として、トレーサビリティ技術のさらなる高度化と、サプライチェーン全体における透明性の向上に取り組んでまいります。
また、三菱ケミカルをはじめとする国内外の先進企業との連携を通じて、Circulariseは単なる協業にとどまらず、日本市場におけるトレーサビリティの新たな基準づくりに向けて、積極的に取り組んでまいります。
Circulariseについて
Circularise(サーキュライズ) は、オランダ発のサプライチェーン・トレーサビリティ・プラットフォームで、企業のレジリエンス向上、排出量削減、新たなビジネス価値の創出を支援しています。2016年の創業以来、原料レベルから最終製品に至るまで、全体を通してデータを収集・可視化する、安全な製品トレーサビリティを実現してきました。
当社のソリューションは、デジタルプロダクトパスポート(DPP)の導入を支援するとともに、ESPR(エコデザイン製品規則)、RED III(再生可能エネルギー指令 第3版)、欧州バッテリー規則といった各種規制への対応をスムーズにします。サムソナイト、エアバスなどのグローバル企業からも信頼を得ており、Circularise の特許技術によって機密性の高いデータを守りながら、監査対応可能なインサイトをご提供します。
日本での事業展開を本格化するため、2025年1月に日本法人「Circularise Japan株式会社」を設立しました。また、東京都が実施する「GX(グリーントランスフォーメーション)関連外国企業進出支援事業」に採択されました。今後も、東京都の支援および日本企業とのパートナーシップを活かし、日本市場に根ざした形でサーキュラーエコノミーの実現を推進してまいります。
URL:https://www.circularise.com/jp
Circularise Japan株式会社 マーケティング担当
E-mail: ayaka.kume@circularise.com
TEL: 080-4947-1242